なぜマンUは屈辱的な敗北をしたのか?

なぜマンUは屈辱的な敗北をしたのか?
チャンピオンズリーグの決勝戦を、徹底考察してみます。


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■フォーメーション
両チームのフォーメーションは 4-3-3。
普段のバルサの 3トップは、左アンリ、中央エトー、右メッシ。
しかし、決勝の前半から、中央にメッシを配置し、右にエトーを張らせました。
中盤のシャビ、イニエスタに加え、メッシがやや下がり気味でプレーしたことにより
圧倒的にバルサがボールを支配しました。
マンUの中盤は、アンデルソンキャリック
この2人じゃ、個人力の差がありすぎました。


■序盤はマンUが攻勢

開始 10分間は、マンUが圧倒的に押していました。
ここで点が入っていれば、打ち合いになっていた可能性が高いです。
しかし、先制したのは、ファーストチャンスをものにしたバルサ
エトーのゴールで、試合は完全にバルサペースになりました。


■それ以降は終始バルサペース

先制したことにより、バルサは落ち着いてボールを回しはじめました。
元々絶好調の時のバルサは、素早いフォアチェックで相手のボールを高い位置で奪い、
ボールを回しまくり、相手にボールを渡さないスタイルが信条です。
まさに、攻撃は最大の防御。
しかし、そんな戦術が通用しないチームがありました。


■唯一バルサを苦しめたチェルシー

準決勝でバルサと対戦したチェルシーは、名将ヒディングの徹底した守備命令により
最終列でガチガチに守る戦術をとってきました。
中盤ではバルサに好きなように ”あえて” ボールを回させ、ペナルティエリア近くで
猛烈にプレッシャーをかけ、囲んで奪ってからの素早いカウンター。
バルサは初めて自分たちの戦術で苦戦を強いられました。


マンUチェルシーの違い

最初から、奪ったら素早いカウンターのみ!と徹底されていたチェルシーと違い、
マンUは、自分たちの攻撃スタイルで試合をしたかったはずです。
マンUは、バルサと同様に素早いフォアチェックから高い位置でボールを奪う戦術です。
しかし、先制点を奪って余裕を持ってボールを回すバルサからボールを奪えないなんて
思わなかったはずです。
追っても囲んでもスリ抜けられ、高い位置では殆ど奪えず、
奪ってもバルサの素早いチェックが飛んでくる・・・。
決勝でのエトーの先制点は、マンUにとって致命的だったと言えます。


■選手交代の裏目

なんとか同点にしたいマンUは、なんと中盤の枚数を減らし、アタッカーを増やしました。
圧倒されている中盤を増やして対抗するならまだしも。
確かに点がほしいのは解りますが、前線にボールが入らなければ逆効果。
案の定、バルサのボール支配の時間はさらに増えて一方的な試合運びになりました。
相手にボールを渡さないバルサを相手には、効果的な交代とはいえませんでした。
4-3-3 で始まったはずなのに、
4-2-4 という意味不明なフォーメーションに変わったのだから。


マンUの崩壊
マンUは、インテルを相手にアウェイですらボールの支配時間や内容で圧倒していました。
自分たちがボールを保有していない時間が長すぎるという経験は殆ど無いはず。
追いかけても、追いかけても奪えないマンUは、相当なストレスだったはずです。
途中からボールを積極的に奪うことを諦めてしまいました。
そして、メッシがトドメの 2点目。
王者マンUが崩壊した瞬間でした。


■共通意識の違い

普段ではみられない、C・ロナウドルーニーテベスベルバトフギグスの同時起用。
その陣形で練習を重ねてきたとは思えません。
完成され、美しく流れるようなパスサッカーで統一されているバルサを相手に、
点を奪うことに固執した、個人能力で打開する選手交代をしたときに
勝負は決まっていたのかもしれません。
もう自爆に近い。


■まとめ

中盤の差、思わぬ先制点、奪えないボール、共通しない意識、バルセロナという相手
バルセロナが強すぎた + 思い通りにさせてもらえなかった
普段と違う、想定外の一方的な試合展開に振り回され、
マンチェスターユナイテッドは崩壊し、屈辱的な敗北に至ったのだと思います。
24年間もマンUで指揮をし続けているファーガソン監督が、
就任1年目のペップ監督に圧倒されるという図式が印象的な試合でした